夜道

典型的なクソ文系大学生の例に漏れず、僕も夜中に散歩するのが好きです。

 

スマホを置いて家を出るとまずコンビニに向かい、アイスを買ってから歩き始めます。この時に絶対昼間には用がない入ったこともないような道を選んで歩いていきます。

 

夜中の道路はとても快適です。日が登っている間には家族連れの車やバスで賑わっている住宅街の道路もこの時間には1台も走っておらず、人っ子1人いません。なので、堂々と道の真ん中を歩いてみたり信号無視したりなんかもできます。普段は轢かれないように車道の隅によって歩かされてる歩行者が道路を支配できる。それが深夜です。

 

そんな感じで浮かれて歩いている僕ですが、目的地は決めません。長いこと考え事をしていたり、気が向いたりしたらどこまでも歩くし、飽きたら帰ります。長い時には同じような景色が続く住宅街を抜けて隣の街まで出る時もあります。そもそも地図もなしに知らない道を歩いているのでいつどこまで行ったかなんかわからないんですけど。

 

満足するまで歩いたら後は帰ります。基本的には来た道を戻るだけです。ふらふら歩きながら周りを見て、美味しそうな飯屋があれば今度行ってみようかなんて考えたり、明かりがついてる窓があればあそこに住んでる人も生活リズムが狂ってるんだろうななんて思ったりします。

 

行きはよいよい帰りは怖いなんて言葉はよく言ったもんで、そろそろ知ってる道に戻れるはずなのに中々たどり着きません。とにかく歩きます。だんだん不安になってきます。どこかで道を間違えたのだろうか。ずっと知らない道を歩いてきたから1つ曲がり角間違えたら確実に迷子だ。そういえばこんな景色行きは見てないぞ。いや帰り道なんて反対側から見てるんだから同じ景色なわけないだろ。歩く速度も早くなってきます。だんだん暗闇も怖くなってきた。あそこの広場で休憩でもしようか。いや危ない人がいたらどうしよう。体もじっとりと汗ばんできます。とにかく歩こう。

 

そんな感じで思考は巡りに巡るのですが、現実の僕は正しい道をしっかり歩いてきたらしく知ってる道に出ます。ほっと一安心。いつも利用してるスーパーの駐車場の明かりが随分眩しく感じます。すっかり溶けてしまったアイスを食べながらあとはゆっくり帰路につくだけです。

 

焦っている時は不安で感覚が鈍るのか、そんな帰り道に片足がズキズキすることがあります。歩いている時に小石でも入ったかなとサンダルを脱いでる見ると、

 

大体足の皮が剥けてます。